分散
ゴムコンパウンダーの皆様はしばしば分散品質やバッチ安定性の向上の課題に直面し、同時に他方では、コスト削減のためにコンパウンドの混錬時間を低減することやミキサーの生産高を増大することを求められます。
適切なカーボンブラックを選択することは、分散の速度や混合のしやすさを向上し、同時にコストを抑えることができます。SPHERON® 5000 および STERLING® 6000は、キャボットの製品ポートフォリオの中でもユニークな形態を備えています。一般的に低~中粘度のゴムコンパウンドは混合時のせん断が低く、これらの 2 つの SPHERON製品の本質的に優れる分散性から最も恩恵を受けることができます。
分散過程においてカーボンブラック形態が影響を及ぼす2つの主要素があります。第一には比表面積であり、カーボンブラックの粒径に反比例します。比表面積はどれほどのカーボンブラック表面がゴムとの相互作用に関与し得るかを定義しています。第二はアグリゲート(凝集体)ストラクチャーであり、カーボンブラックのアグリゲートが吸収し得るポリマー量に相関します。
比表面積とストラクチャーに加えて、他にも分散および最終的な押出し表面仕上げに影響を及ぼす重要な要素が3 つあります。
- 比着色力特定の比表面積おいて、低い比着色力は易分散性をもたらします。
- ペレット特性柔らかいペレットはゴムコンパウンド過程にて容易に粉砕および分散します。しかしながら、搬送可能であるためには必要十分な硬度を持たなければなりません。
- 不純物カーボンブラックは基本的に純粋な炭素原子を構成要素としますが、製品中には製造プロセスから "グリット" のような材料や無機混入物がごく少量含まれます。
SPHERON 5000 および SPHERON 6000は、標準 的なASTM カーボンブラックと比較して、分散に影響を与える重要な要素において良好なバランスを保持しています。下記チャートは、押出しゴムストリップ表面の約 50 cm² にて測定された欠陥点の数を示しています。 キャボットの SPHERON製品はASTM カーボンブラック製品よりも著しく少ない欠陥数であることがわかります。