当社は、社員、請負業者、地域住民、環境を危険から守るため、卓越した労働安全衛生を追求し続けています。
社員は当社にとって最も価値のある資産です。安全な職場環境を提供し、全社員の健康を促進することは雇用主の責任です。健康と安全への重点は、キャボットの歴史を通じて深く根付いており、当社の文化の中心テーマとなっています。私たちの目標は、すべての従業員が出勤時と同じ状態で帰宅することです。
当社は、「Drive to Zero」活動の一環として、世界中の施設で負傷者を発生させないという長期目標を設定しました。この大きな目標の達成には長い年月を要しますが、短期的な目標も打ち立て、安全性能の面で総合化学を扱う同業会社の上位 10% に入ることを目指しています。この目標達成に向け、適用されるすべての政府規制と内部基準について、それと同等以上のレベルを達成できる安全手順トレーニングを全社員に実施しています。
2023 年、キャボットは報告事故発生率 (TRIR) 0.20 を記録して製造企業全体の上位 10% にランクインし、業界トップクラスの安全性能を達成しました。当社は学習する組織を育成する中で、火線、動作、危険の認識に着目し、各グローバル拠点でベストプラクティスを継続的に共有して適用しています。
プロセスセーフティーは、労働者と地域社会を保護し、財産の損害と環境への放出を防ぐという当社の取り組みの重要な側面です。2023 年は第 1 層のプロセスセーフティーイベントの発生がなく、イベント数は全体的に減少し、プロセスセーフティーにおいて素晴らしい成果を上げました。当社は、重大なプロセス安全事故を 2019 年のレベルより 50% 削減するという 2025 年の持続可能性目標を 2 年連続で達成しました。このような傾向に刺激を受け、当社は、将来の事故を防ぐためのさらなるチャンスの特定に引き続き注力していきます。
責任を持って行動し、組織全体で安全と環境の卓越性を推進することにより、当社は、世界クラスの SH&E 実績を持つ、世界的化学製造会社のリーダーとしての地位を確立しました。継続的改善の精神で、SH&E 実績と、製品とプロセスの安全改善力をさらに高めることに注力し続けます。
当社の SH&E 遵守監査、評価、是正措置プログラム基準に従って、前回の監査からの経過時間、施設の SH&E 実績、SH& E リソース状況などの要因の検討を含めたリスクベースアプローチを用いて、年間監査スケジュールを作成しています。当社の監査は、必要に応じて、外部リソースによってサポートされる社内の主題別専門家のチームによって行われます。各監査には、国家、州、地方の SH&E 規則、社内標準および業界で認められたベストプラクティスへの準拠を管理するための施設の手順、慣行、現場条件の評価が含まれています。
ギャップの是正措置が確立され、その措置の仕上げが完了まで追跡されます。2020 年には、6 か所の拠点で包括的な SH&E 監査が実施されました。
コーポレート SH&E 監査のほか、Responsible Care (レスポンシブルケア) や ISO についての取り組みに関連する年次監査を行っています。また、当社の製造施設は、SH&E の遵守実績を継続的に評価、向上させるための継続的な取り組みの一環として、年 1 回の自己評価プログラムも実施しています。
キャボットの緊急事態管理プログラムは、全施設向けの最小要件を定めた緊急事態管理計画基準によって定義されています。この基準には、リスクと潜在的緊急事態の特定、緊急事態管理計画書の策定、実施、年次レビュー、すべての社員とチーム向けの計画要素に関する年次トレーニング、訓練、演習その他の方法によるテスト、必要に応じて十分なリソースを確保するための地域緊急対応者や緊急対応請負業者向けの計画の伝達についての定めが含まれます。
キャボットは、また、「企業レベル緊急事態対応/危機対応コミュニケーション計画」を定めています。この計画は、危機対応チームの特定、チームメンバーの役割と責任の定義、危機発生時の手順とコミュニケーション所掌の設定、徹底した緊急対応のためのツールとリソースの提供を行うものです。
このプログラムの要素には、タンクと機器のメンテナンスや検査の詳細手順のほか、化学物質のバルク輸送と保管に関わる社員、請負業者、輸送業者が化学物質バルク貯蔵タンク、パイプライン、輸送エリアについての環境面で安全な操作、メンテナンス、検査の訓練を確実に実施するためのトレーニング要件が含まれます。また、社員、請負業者、運送業者が当社の緊急対応手順を熟知のうえ緊急時の責任を確実に認識できるように、訓練の実施などの緊急対応計画トレーニングも行っています。
当社は、すべての化学物質バルクサプライヤー/輸送業者との間で、輸送/作業手順、作業に適した機器の使用に関する要件を定めた契約の締結を義務付けています。こうした措置によって、リスク管理だけでなく、適用される規制、許可、基準の遵守も確保できます。
キャボットのエンタープライズリスク管理プログラムでは、その一環として、重大リスクを評価し、適切な低減戦略を検討しています。このプロセスには、輸送リスクを含みます。キャボットでは、重大な結果をもたらす可能性のある輸送リスクについて、確実に制御のうえ、許容可能な最低レベルにまで低減するために、外部コンサルタントと契約して監査を実施し、対応のための改善チャンスを勧告しています。
請負業者を起用する前には、過去の安全/環境実績の評価を含む徹底的な事前審査プロセスを実施しています。そして、請負業者について、作業に関連する特定の危険とリスクを管理する能力および、請負業者のチームと そのSH&E システムの適格性を評価しています。
各施設では、すべての請負業者に対して、作業開始前に包括的な安全オリエンテーション教育が実施されます。この安全オリエンテーションは、年に 1 度、必須の再トレーニングが行われます。さらに、請負業者は、必要な業務固有のトレーニングをすべて無事に修了したこと、必要な適格性と業種別ライセンスのすべてを保有していることを証明する必要があります。
キャボットの要件への遵守状況は、現場での安全観察と、施設の請負業者安全管理システムの監査によりモニタリングします。
国際カーボンブラック協会 (ICBA) は、安全実績認定プログラムを通じて、カーボンブラック業界の最も貴重な資源である労働力の保護に優れた世界中の施設を特定します。2023 年、当社のグローバルネットワークのカーボンブラック製造工場 19 か所が優れた安全パフォーマンスにより ICBA から表彰され、うち 18 か所が最高評価である金賞を受賞、1 か所が銅賞を受賞しました。合計 35 の ICBA 会員製造施設が平均以上の安全パフォーマンスを認められ、キャボットがゴールドレベルの賞を最も多く獲得しました。
全米安全評議会 (NSC) が安全性能におけるキャボットのリーダーシップを高く評価。当社 CEO 兼社長の Sean Keohane が、NSC の栄誉ある賞「CEOs Who Get It」の 1 人に選出されました。この賞は、リスク削減、性能測定、安全管理・ソリューション・リーダーシップ、社員の取り組みなどの項目からなる安全戦略において、高い評価を受けた CEO に贈られます。