気候関連財務情報開示タスクフォース

当社は、気候関連財務情報開示タスクフォース (TCFD) と連携して気候シナリオ分析を実施し、TCFD 気候シナリオのリスクとチャンスのマトリックスを公表しました。こうした措置は、透明性と情報開示に対する当社の継続的な取り組みを示す重要なシグナルとなります。

2020 年に、当社は、気候関連財務情報開示タスクフォース (TCFD) の提言事項に、自社の気候関連開示を整合させることを発表しました。TCFD 提言事項との整合化により、既存のリスク管理プラクティスを拡張して、さまざまな気候シナリオでの、中期 (2025 ~ 2030 年) から長期 (2031 ~ 2050 年) の気候関連のリスクとチャンスを組み込むことができます。これにより、将来リスクの管理と、新たなビジネスチャンスの獲得に向けて有利なポジションが取れます。

TCFD 提言事項実施のための段階的アプローチ

当社は、自社の行動を TCFD 提言事項に整合させるために段階的アプローチを採用しています。このアプローチを通じて、当社は、ビジネスニーズを満たし、ステークホルダーに透明性のある情報開示を提供する、レジリエンスの高い気候/ビジネス戦略を構築するよう努めています。

2021 年に、当社は、ビジネスリスク特定、評価、報告についての既存プロセスを改善するためのオプションを評価するプロセスのパイロット調査を実施しました。このパイロット調査で使用された全体的なアプローチは、
TCFD 提言事項と ISO 31000 リスク管理基準に整合させるというものでした。また、リスクとチャンス、選択された気候シナリオ、期間を特定する
化学業界のベストプラクティスも組み込まれています。

ピアベンチマークとギャップ分析

ディスカバリー段階では、SH&E 担当上級副社長と最高サステナビリティ責任者が、外部コンサルタントとともに、当社のビジネスセグメントに加えて、財務、IR、リスク管理、研究開発、サプライチェーン、製造、法務、安全、健康、環境などの主要機能についての内部代表者の機能横断型作業部会を招集しました。作業部会は、当社の既存気候関連開示について TCFD 提言事項とのギャップ分析を実施し、化学業界内外の同業他社との比較による当社開示報告ベンチマークを行いました。

リスクとチャンスの刷新

作業部会は、一連のワークショップで気候に関するリスクとチャンスのリストを更新し、分類しました。

気候シナリオの選択

作業部会は、一般に入手可能で広く受け入れられている気候シナリオを検討し、気候シナリオ分析に最も適切なオプションを特定しました。こうしたシナリオは、さまざまなレベルの将来の排出量と世界平均気温による気候への影響に関する気候変動政府間パネル (IPCC) の分析に基づくものです。作業部会は、当社のビジネスに対する潜在的な影響とチャンスを評価するために、RCP 2.6 (低位安定化シナリオ) と RCP 6.0 (高位安定化シナリオ) という 2 つの異なる気候シナリオを特定しました。

気候シナリオ分析 

作業部会は、一連のワークショップに参加し、特定された気候に関するリスクとチャンスによる潜在的な影響の定性的評価を行いました。当社のビジネスに関連した、気候に関する潜在的なリスクとチャンスの包括的リストを作成し、ランク付けを行いました。TCFD 気候シナリオリスク/チャンスマトリックスTCFD インデックスに示すとおり、主要なリスクとチャンスについて TCFD ガイダンスに基づき優先順位付けと分類を行いました。

TCFD の概要

TCFD 気候シナリオのリスクとチャンスの詳細については、当社のマトリックスをダウンロードしてください。


TCFD 主要分野

TCFD

 

TCFD は、自主的な気候関連財務情報開示に関する提言を策定しました。 こうした提言は、意思決定の指針となり、一貫性と比較可能性を高めるための情報を提供するものです。 

+ 詳細

TCFD の提言には、4 つの主要分野における 11 件の気候関連開示が含まれています。

- 詳細を閉じる