歴史

化学についての深い知識。技術革新への熱意。新たな機会を探す眼そして新しいソリューションを創出する意欲キャボットの創立者、Godfrey Lowell Cabot は、これらの特性をすべて具体化したのです。

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生まれながらに好奇心旺盛だった若い企業家の Godfrey は、着色と化学の知識を天然ガスの理解と組み合わせて、いちはやくにカーボンブラックの生産者になりました。

Godfrey は、新たに生まれた自動車産業が、タイヤプラスチック部品にカーボンブラックを使用する可能性があるとわかっていました。また、新聞業界と雑誌業界では、印刷用インクにさらに多くのカーボンブラックを必要とすることもわかっていました。この要素の組み合わせが、トランスポーテーションインフラストラクチャー環境、およびコンシューマープロダクツの各業界で 130 年以上にわたって新たな進歩を提供し続ける会社の創立につながりました。ここで、画期的な出来事のうち、いくつかを簡単にご紹介しましょう。


1800年代~1980年

1882 年 ハーバード大学を卒業後、Godfrey は兄の Samuel Cabot と一緒に、米国ペンシルバニア州ワシントンの近くにある McCue 鉱泉を購入し、最初のカーボンブラック工場を開設しました。

1922 年 Godfrey は “Godfrey L. Cabot, Inc.” を法人にして、最初の法人組織を設立しました。

1948 年 Cabot Carbon Limited を創立して、欧州市場に初めて参入し、英国のスタンローにある新しい工場で製造を開始しました。

1951 年 Cabot Carbon of Canada, Ltd. を設立し、オンタリオ州サーニアで新しいカーボンブラック工場の建設を開始しました。Louisiana 州 Franklin (米国) においても、米国南部では当社として初となるカーボンブラック工場となる新しい工場の建設に着手しました。これらの両工場は現在も稼動しており、当社にとって北米の製造拠点の中で重要な地位を占めています。

1953 年 地域社会への貢献活動を支援する目的で、キャボット コーポレーション財団を設立しました。

1958Illinois 州 Tuscola (米国) に、当社初となるヒュームドシリカ工場を開設しました。

1959Ravenna (イタリア) で、カーボンブラックの新工場建設に着手しました。この工場は現在も稼動しており、当社にとってヨーロッパの製造拠点の中で重要な地位を占めています。

1960 年 Godfrey L. Cabot, Inc. と多くの系列会社を”キャボット コーポレーション”として吸収合併することを決断し、この名称が現在も正式社名として存続しています。

1962  年 Campana (アルゼンチン) にカーボンブラック工場を開設することで、 南米市場 に初めて参入しました。

1968  年 キャボットの株式を初めて公開し、その 12% をニューヨーク証券取引所で販売しました。

1977  年 Maua (ブラジル) にカーボンブラックの施設を開所しました。


1981-2010

1981 年 グローバル拠点をインドネシアとオランダに拡大しました。Merak (インドネシア) にカーボンブラック工場を新設することに合意し、Botlek (オランダ) の合弁事業によるカーボンブラック工場の全面所有権を引き受けました。

1986 年 Samuel W. Bodman が社長兼最高経営責任者に任命されました。社内のすばらしい業績に対して贈られるAwards for Excellence制度は、彼の名前にちなんで命名されています。アジア太平洋地域で黒色ゴムを取り扱う部門を、日本の東京に設立しました。

1988 中国で事業を展開する、米国に拠点を置く最初の企業のひとつになりました。Shanghai Coking & Chemical Corporation との合弁事業により、Shanghai で新たなカーボンブラック工場を開設しました。

1991  年 グローバルの本社をMassachusetts 州 Boston (米国) に移転し、以来、Boston を本拠地とする最も古い製造企業となっています。

1993:Manitoba 州 Lac du Bonnet (カナダ) の Tantalum Mining Corp of Canada Ltd. (TANCO) の所有権を 100% 取得しました。

1996 年 カーボンブラックの表面改質での経験を応用して、 インキジェット顔料を開発し、短期間でこの新たな事業での業界のリーダーになりました。また、カナダでの微細セシウム化学物質プラントの建設が完成し、最初のギ酸セシウムブラインプラントを Texas 州 Houston (米国) に開設しました。

1998:Scotland、Aberdeen (イギリス) に、大量のギ酸セシウムブラインを処理する施設を開設しました。

2000 年 コロンビアの Cartagena で合弁事業のカーボンブラック工場の全面所有権を取得し、同国での地歩を拡大しました。Michigan 州 Midland (米国) にヒュームドシリカの製造施設を新設するとともに、Wales の Barry (英国) および Illinois 州 Tuscola (米国) にある既存施設の稼動規模を拡大しました。Bergen (ノルウェー) にギ酸セシウムブラインの処理に関する拠点も開設しました。

2001 年  Kennett F. Burnes が社長兼 Chief Executive Officer に就任しました。

2002  年 Shanghai にあるカーボンブラック工場を拡張するとともに、Jiangxi 省でヒュームドシリカ工場の建設に着手して、 中国 での主導的地位を固めました。キャボットのエラストマーで、初の販売実績を記録しました。 ドイツのフランクフルトに エアロゲル の新たな製造施設を開設し、世界中のお客様に当社のソリューションをお届けできるようになりました。

2003  年 Frankfurt (ドイツ) に エアロゲル の新たな製造施設を開所し、世界中のお客様に当社の解決策をお届けできるようになりました。

2004  年 中国の Jiangxi 省 で、China National Bluestar (Group) Corporation と ヒュームド金属酸化物 の合弁事業を開始しました。

2008 年  Patrick M. Prevost が社長兼最高経営責任者に就任しました。

2009  年 当社で初めての持続可能性レポートを発行しました。そこでは、 安全、健康、および環境 での過去 3 年間にわたる当社の実績を説明しています。また、American Chemistry Council、Electronics Industry Citizenship Coalition、および Carbon Disclosure Project に加盟しました。

2010 年  Schaffhausen (スイス)ヨーロッパ、中東、およびアフリカを担当する新しい地域担当本社を設置しました。Dubai (アラブ首長国連邦) に、新たなマスターバッチ工場を開設しました。この先進的な工場には最新の環境技術と製造技術が導入され、増大するさまざまな需要や要求に対して的確に対応できるようになっています。


2011 年~現在

2011 年 ENOVA® エアロゲルと LUMIRA® エアロゲル両製品の販売を開始しました。これらの製品は、建築物での採光深海パイプライン塗料建築物の断熱パーソナルケア製品などに向けた解決策を提供します。XG Sciences Inc. との知的財産に関するライセンス契約締結に伴い、グラフェン技術を当社の製品ラインに加えました。当社のTianjin (中国) 工場が、マスターバッチとカーボンブラックの生産を全面的に統合した世界初の工場となりました。

2012英国ウエールズの Barry での生産能力を増強することで 、Dow Corning 社との長期的なパートナーシップを強化し、世界的に増大するシリコン需要に対応できるようになりました。Massachusetts 州 Haverhill (米国) で、インキジェット顔料向け顔料分散液の生産能力を拡大しました。接着剤市場に向けた新しい技術的ソリューションである CAB-O-SIL®ULTRABOND 4740 ヒュームドシリカにより、性能、使いやすさ、および製造効率の新たな業界ベンチマークを打ち立てました。NORIT N.V. 社の買収に伴い、活性炭の世界的なリーダーとなりました。これにより、高収益で景気変動の影響を受けない専門化学製品中心の企業を目指して推進している製品ライン変革がさらに前進しました。

2013 年 リチウムイオン バッテリーから最大限の電力を引き出す上での課題を、エネルギー密度の低下とコストの上昇を伴わずに解決する LITX™ 200 導電性添加剤を開発しました。また、当社で初めてグラフェンを原材料とした添加剤として、リチウムイオン バッテリーのエネルギー密度を引き上げる LITX™ G700 導電性添加剤を開発しました。新たな企業ブランドを導入しました。また、メキシコでのカーボンブラック生産のリーダー企業である NHUMO 社の買収により、北米における当社のカーボンブラックの地歩を拡大しました。レーザー プリンタと複合機に使用する高エネルギー効率の最新トナーで画像の品質と一貫性を大幅に引き上げる ATLAS ™ シリカ複合粒子を開発しました。

2014 年 Risun Group との合弁事業により、Xingtai (中国) に最先端技術を使用したカーボンブラック製造施設を新たに開設しました。さらに、ヨーロッパ、中東、およびアフリカのお客様へのサービス向上を目指し、Riga (ラトビア) にビジネスサービスセンターを新設しました。

2015 年  キャボットの新しい低多環芳香族炭化水素 (PAH) カーボンブラック製品の LP シリーズは、厳しい性能仕様を満たしながら、規制要件および品質保証に準拠する製品として、販売を開始しました。

2016  Sean D. Keohane が社長兼 Chief Executive Officer になりました。

2017  年 ブラックマスターバッチおよび化合物におけるグローバル拠点を拡大するためにブラックマスターバッチの大手北米メーカーである Tech Blend を取得しました。